芥川賞受賞「背高泡立草 」(古川真人 著)を読みました。

第162回芥川賞を受賞した作品「背高泡立草 」(古川真人 著)を「文芸春秋」(3月特別号)で読みました。
私は読書が好きで主として図書館で借りて年70冊以上を読んでいる。どうしても好きな作家の本を読む事が多くて、事前に「芥川賞」の作品を読むことは殆ど無い。それだけに受賞作を読むことは楽しみでもある。作家の感想や選評も参考になる。然し、なかなか自分の言葉で読書感想を書けないのが残念である。
草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。記憶と歴史が結びついた、著者新境地。
大村奈美は、母の実家・吉川家の納屋の草刈りをするために、母、伯母、従姉妹とともに福岡から長崎の島に向かう。吉川家には<古か家>と<新しい方の家>があるが、祖母が亡くなり、いずれも空き家になっていた。奈美は二つの家に関して、伯父や祖母の姉に話を聞く。吉川家は<新しい方の家>が建っている場所で戦前は酒屋をしていたが、戦中に統制が厳しくなって廃業し、満州に行く同じ集落の者から家を買って移り住んだという。それが<古か家>だった。島にはいつの時代も、海の向こうに出ていく者や、海からやってくる者があった。江戸時代には捕鯨が盛んで蝦夷でも漁をした者がおり、戦後には故郷の朝鮮に帰ろうとして船が難破し島の漁師に救助された人々がいた。時代が下って、カヌーに乗って鹿児島からやってきたという少年が現れたこともあった。草に埋もれた納屋を見ながら奈美は、吉川の者たちと二つの家に流れた時間、これから流れるだろう時間を思うのだった。

作者の今後のご活躍を期待しています。
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<「背高泡立草 」(古川真人 著)>

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